日本仏教の母山・比叡山延暦寺

10月最後の日に、比叡山延暦寺へ行ってきました!
また突然思い立ったわけですが、なぜかと言いますと、最近、おかざき真里さんの漫画『阿・吽』を読み、空海&最澄にものすごく興味が湧いたからなんです。(すぐ影響される・笑)


現在10巻まで発売されています。絵が幻想的で素敵ですし、 空海と最澄のキャラの対比が面白い。 日本仏教の礎である真言宗と天台宗の成り立ちもわかって勉強になります。個人的には、言葉が「呪」にも「光」にもなる、ということの表現が秀逸だなと思います。 めっちゃオススメです。

現在スピリチュアルにカテゴライズされているものは西洋思想のニュアンスが強いのですが、「仏教っていい教えいっぱいあるじゃん!」と、今更ながら気がつきました!空海&最澄の、自分にとっての真理を追究する姿勢に大いに共感します。(これ語りはじめると長くなるので別の機会に)

というわけで、空海が真言宗・密教を開いた高野山は京都から日帰りで行くのは厳しいため、最澄が修行し天台宗を開いた比叡山延暦寺へ行くことにしました。

東塔地域の大講堂(総本堂の根本中堂は2026年まで工事中)

私は京都に住んでおりますが、延暦寺はたぶん3回目です。最初は中学校の修学旅行で訪れたため(当時は埼玉県に住んでいました)、ほとんど知識はありません。仏教に宗派があることは知っていましたが、多くの宗派の宗祖がこの比叡山で修行したということを初めて知りました(^^;
大講堂には、法然、 栄西、 親鸞、日蓮など、私でも知っている社会科で習うような有名なお坊さん方の肖像画がありました。いちおう実家も婚家も仏教ではありますが、、、お葬式や法事の時くらいしか触れる機会がないもので、無知ですね。少しでも興味を持って行くと、より面白く観ることができますね。

とにかく沢山のお堂がありますので、色々な御朱印がいただけます。写真は根本中堂(薬師如来)と萬拝堂(千手観音)の御朱印です。

こちらは、延暦寺会館の喫茶店でいただける「梵字ラテ」 です。
ああ、伝教大師最澄の思想に少しでも触れられれば・・・と真面目な気持ちで来たはずなのに、注文せずにはおられませんでした。梵字は、生まれの干支によって守りの本尊が決まっているらしく、私は亥年なので阿弥陀如来の梵字でした。「南無阿弥陀仏」と唱えれば極楽へ行けるという仏様ですね。
ちなみに延暦寺会館の喫茶店からは琵琶湖が望めます(この日はちょっとガスっていてぼんやりでした)。

東塔地域は、平日にもかかわらず人が多くて落ち着かない感じでしたが、東塔地域と西塔地域をつなぐ山道は静かで気持ちのいいところでした。最澄は、悟りを開くためには自然の中で修行をすることが必要だと考えて比叡山に籠ったそうですよ。

道の途中には、「浄土院」という、伝教大師最澄が眠る建物があります。階段の下に見えるのがそれです。静謐で、飾り気のない建物とシンプルなお庭が人柄を表しているようで、とてもよかったです。

御朱印を書いてくださる方が、「浄土院」は延暦寺のいちばんの聖域ですよと教えてくれました。本当に、ここだけ空気が違いました。今も浄土院で「十二年籠山行」が行われているそうです(@ @;) ※どんな荒行かはググってください。

今回は、比叡山の山頂からちょっと離れた場所にある横川地域へも足を延ばしました。横川中堂は、なかなかの姿でした。手前には龍が棲む池があったりして、ここもパワーを感じました。横川地域は、道元、親鸞、日蓮などなど、名僧が修行した場所だそうです。

最澄さん以外にもう一人、気になっていたお坊さんが「元三大師(良源)」という方です。この石碑にも描かれているように、魔よけのお札で有名であり、「おみくじ」の創始者とも言われているらしいです。横川地域には、元三大師堂があります。実はこの元三大師も漫画で知って行きたくなったんです(^^;
↓こちらの漫画の1巻に元三大師のエピソードが載ってます。


「おみくじ」は、てっきり神社のものだと思ってたのですが、違ったんですね。これはぜひやろうと思ったら、お堂の説明書きには「おみくじは悩みや迷いのある方が、『今どうすればいいか』を大師に聞く(おみくじを引く)ものであり、『これからどうなるか』という予言ではありません。運だめしの方はご遠慮ください」と、ありました。

おお!これはボイジャータロットの考え方にも通じます。おみくじだけでなく占いにも未来予言を求める人が多いのですが、本来、自分の人生は自分で切り開いていくものです。未来はおみくじや占いが決めるものではありません。
おみくじも、本来的な使い方は、シンクロによるアドバイスを元に、行動につなげて自分で自分の未来を創造してもらうものだと知り、ボイジャータロットと仏教との共通点を見つけて感動しました。

まだ紅葉にはちょっと早かったです。比叡山は11月中旬くらい、京都市内は11月下旬くらいが見ごろになるかなと思います。

一日がかりで何とか気になった所は見ることができました。日本仏教が色んな宗派に分かれているのは、比叡山で学んだことを土台に、自分なりの解釈で自らの真理を目指すことが許されていたからなんだなと分かりました(今はどうかわかりませんが)。
世界の他の宗教に比べたら、宗派が多い日本仏教は懐が深いと言えるかもしれません。10月の課題図書としていた、とあるスピリチュアルバイブル本(12巻)を読み終わったので、次は仏教がマイブームになりそうです。

それにしても、最澄よりもライバル(?)の空海の方が人気が高いのは残念です。おこがましくも、私は最澄に親近感を持ってます。たぶん似たタイプです。

冒頭で紹介した漫画「阿・吽」を読んでもらうとわかるのですが、
空海は
・天才
・自由で破天荒
・人たらし
・霊能力伝説多数
と、世渡り上手でカリスマ的人物として描かれているのに対し、
最澄は
・勉強家(教典オタク?)
・エリートであることに苦悩
・真面目
・夢見る理想家
と、もちろん偉大な人物なのですが、空海に比べると地味キャラなのです。
(本当かどうかはわかりませんが)

ただ、だからこそ最澄が開いた比叡山延暦寺が、優秀な人材を育む学校のような存在になれたのかなと思います。

仏教の教えはとても興味深いです。次は高野山へも行ってみたいと思います。

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